日本のリサイクルには歴史があり、江戸時代では、着物は糸を解きまたその糸で着物を織る。もとより再利用を前提に作られていました。「ものを大切に何度も使うこと」。リサイクルの歴史は昔から脈々と受け継がれていました。しかし、そのような時代から今では私たちの生活は様変わりし、物余りの社会となり、「3R活動」を推進しなければならないほど、リサイクルの概念には程遠い時代に変化しています。
リユース(Reuse)
1度使っても、また使用するなど無駄にしないこと
リデュース(Reduce)
無駄なゴミをできるだけ少なくすること
リサイクル(Recycle)
使い終わったものを資源に戻すこと
このような取り組みによりゴミをすこしでも少なくし埋立て処理軽減や環境への悪影響を減らし、限りある資源を有効利用し、循環型社会をつくろうとするものです。
ゴミは街の景観を悪くします。ゴミを持ち帰り分別廃棄など、法律で規制されることではなく社会的秩序を守り、ルールを守る。「あたりまえをあたりまえに」行動することが必要です。
・マイバックを使用すること、過剰包装を断る
・計画的に買物をし必要な物を必要量購入する
・不要なパンフレットや広告物の受け取りを拒否する
など、なるべくゴミを出さないように心がけ小さな努力でゴミを減らし、
結果多くのゴミ問題の解決を目指していきましょう。
リサイクル可能な資源の分別、可燃ゴミの焼却処理、残渣の無害化処理などを行う施設のことをいいます。
ゴミ処理場、ゴミ焼却施設、クリーンセンター、ごみ処理施設、環境美化センターなど自治体によって呼び方に違いもあります。
狭小国である日本はこの焼却施設の割合が、世界の70%以上を占めているのです。
機械といえば、あらゆる部品構成で成り立っており、部品消耗は動作するにあたり少なからず状態変化、摩耗を引き起こします。それは身の回りにある様々な製品、車や家電も使う事、消費することで経年劣化を避けることはできません。
クリーンセンター など焼却施設は、その性質上過酷な稼働状態にあり、おおむね20年程度で終焉してしまいます。
しかし近年、施設延命化を図るため、日常的、定期的に維持管理しながら10〜15年ごとに大規模なメンテナンス事業を実施することにより、延命措置が取られるようになりました。
ただ、焼却施設のメンテナンス費用は莫大であり300〜400億(焼却施設規模によります)ともなり、自治体の税務で支払いが困難とされた場合、国の税金である「交付金」で賄われます。
一般廃棄物
各自治体が指定するゴミ袋に分別されたご家庭で出るゴミは、毎週決められた曜日に収集車の回収がされ、クリーンセンターに運ばれ可燃ゴミは焼却、リサイクルされる資源物は業者に引き渡しされ有効活用されます。
産業廃棄物
事業活動に伴って出るゴミをいいます。事業者が責任をもち、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い処分しなければなりません。
焼却されることで残った焼却灰は最終処分地へ運ばれ、埋め立てられています。また、焼却できない産業廃棄物などは限りなく資源化され有効利用されますが、やはり残骸は最終埋め立て処分場に行き着きます。 日本では年間ごみ産廃物の総排出量は、約4400万トン(東京ドーム約120杯分)あり、その行き場を失い始め、このままでは残余年数約20年で国内の全ての埋め立て場が完全に無くなるという試算です。
現在の技術で焼却灰のリサイクルを考案し、安全性と採算面が両立できるのなら、可能性は無限に広がります。
焼却灰は特性として砂に近いため、路盤材やセメント、コンクリート用骨材として再利用されるケースがあります。ただ、重金属が含まれており有害物質が漏れ出してしまう危険性も危惧されています。
採算面を度外視し安全性を重視するのなら、灰は熱処理し、有害物質を凝固2分の1から3分の1程度に減容でき、スラグ化(ガラス状固化物)させる方法もあります。
ガラス物質を路盤材に使用することにより、夜間車両のヘッドライトに光反応させることで視認性を良くさせることなどの効果が得られ、また安全運転に貢献できる舗装技術も存在します。しかしながら、建材リサイクルで得られるガラスリサイクルとの採算性を鑑みれば、焼却灰加工から得られる効率性は非常に悪くコストパフォーマンスに見合いません。
商材ベースで考案すべきは、焼却灰から希少金属を取り除いた消石灰と含有金属の有効利用がもっとも効率面、採算面で最適です。今後この様な取り組みが基礎となれば、リサイクル循環の裾野を大きく変えるのかもしれません。
環境省:環境研究総合推進費補助金研究事業(平成22年度~平成23年度)